信用性形成の手段

投稿者: mt 投稿日:

仮想通貨による取引,特に一括決済でない取引を円滑に成立させるには,債務者の信用をいかに判断するか,債務者はいかに信用を形成するかが重要な問題となります。

仮想通貨圏における,権利義務の主体(これが法人格なるのかも)の基本単位はアドレスになると思われます。そして,アドレス作成は容易である以上,作成したてのアドレス相手に資金を融通したり,分割払いに応じるというのは,難しいでしょう。そのアドレスをカラにされてしまったら,資金回収の目途が立たないからです。

そこで,どのような仕組みによって,アドレスの信用を判断するか(債権者側の視点),またはアドレスの信用を形成するか(債務者側の視点)が,重要となります。

まずは,アドレスの古さ及び取引量の多さが,信用判断の基準になることは当然,予測されます。これだけ取引を続けてきたアドレスを,今回の取引を踏み倒すだけのために,放棄する可能性はどの程度か,という判断です。

ただ,これだけだと,新規加入者が信用を得るのが難しくなり,仮想通貨圏の発達は難しくなります。

Facebookにおける友達のような形で,アドレス間の結びつきを判断する仕組みが導入されると,信用性の高いアドレスとの多くのつながりがあるということによって,信用が生まれるということはありうるだろうと思います。

また,想定されるリスクの典型例は,踏み倒し専用のアドレスを大量に作成していくことです。そうなると,たとえばアドレスに対して,相当時間の研修受講等の実績を紐づけることにより(当然,実際に受講しないとならない仕組みを導入する)踏み倒し専用のアドレスの可能性が低いことを基礎づけられると思われます。

また、KLEROSという分散型裁判システムにおいては、ProofOfHumanityという現実の本人とクリプトエコノミクスのアドレスとの結合方法を利用しています。このような形でアドレスと本人を撮影したビデを提出する仕組みです。

そのような形で複数の要素の総合的な判断により,ある程度の信用可能性判断がなされていくのではないかと推測されます。

カテゴリー: 貸金契約