日本社会のちょっとした優位性
日本社会の全体的な印象からすると,クリプトエコノミクスに乗り遅れる要素が多そうです。
株式に投資できず預貯金をため込む国民性からして,仮想通貨なんて入手するのだろうか?とか諸々です。
でも,一つ,日本が仮想通貨で先行しそうな要素を思いつきました。
日本はキャッシュレスが大幅に遅れていると言われています。その理由は,現金が便利するぎるから,なんて言っていますが,本質的原因は,クレジットカードその他のキャッシュレス決済の店側負担の手数料が高すぎるから,のようです。。
当事務所も,クレジットカードの導入を検討しましたが,手数料が高すぎて,やめました。
多くの店は売上の10%に満たない利益でしょう。カード会社の手数料が売上の5%にしろ,3%にしろ,2%にしろ,利益の何割もカード会社に渡してしまうことに変わりはありません。このような取引に応じることは特殊な場合だろうと思います。
とはいえ,カード会社としては,その手数料を利用者にポイント等で還元しています。で,ポイントをやめて店の手数料を下げても,店がそのカード利用者だけ割り引くわけにもいかないので,利用者はそのカードから離れます。カード会社が手数料を下げるインセンティブはありません。
ということで,がんじがらめで,この状況はなかなか変化しない可能性が高いです。
とはいえ,どんどん銀行窓口が不便になっていく中,店としてはできれば現金を扱いたくないという動機もあります。
そう,ここで仮想通貨です。まだ,調査中ですが,取引業者を介さないで客から送金を受け,日本円への換金も取引所を利用すればほとんど手数料なしで,キャッシュレス決済が可能になると思われます。
ということで,日本では現状のキャッシュレスが普及させるのは困難な状況なので,これが逆に仮想通貨導入にプラスに働く可能性があると思われます。現金のATMが乏しい国で,キャッシュレス決済が進んだのと同じイメージです。
なので,キャッシュレス決済普及のためには,仮想通貨をめぐる税務・会計上の処理の簡便化が上策ではないかと思います。